上下の歯を噛み合わせた時に、前歯の噛み合わせが逆に(上の歯が下の前歯の内側に)なっている状態を指します。反対咬合では、歯の傾きの異常で起こる場合(歯性:しせい)と、上下の顎(あご)の大きさの不調和で起こる場合(骨格性:こっかくせい)があります。

 

歯成人の場合は、永久歯に交換する時に自然に治ってしまうこともありますが、骨格性の場合には自然治癒は見られず、そのずれが成長期を通じて少しずつ大きくなり、反対咬合の程度もひどくなっていく傾向にあります。したがって歯性の場合は基本的には経過観察することが多くなります。

 

骨格性の場合には、残っている顎骨の成長を利用して、早期から治療を開始することが多いと思われます。通常は、3~4歳頃から治療が始まります。その後ずっと治療を継続していくわけではなく、治療の期間は装置装着後1年前後で反対咬合の状態は改善するように行い、その後は成長の様子を定期的に観察します。額骨の成長いかんによっては、永久歯の生えてきた時期に、また治療を始めることもあります。治療が終了するのは、額骨の成長が終わるとされる時期で女子では15歳前後、男子では17歳前後です。