口腔から咽頭にかけて口を開けて見える範囲の部位に刺入しているものでは、歯科医院や耳鼻咽頭科医院で簡単に摘出できます。刺入部は消毒薬の塗布程度で問題なく治癒します。

 

すでに感染の生じているものでは数日間抗生物質の内服が必要となることもあります。食道に刺入したものでは耳鼻咽頭科専門医での治療が必要となります。食道の入り口直下には輪状咽頭筋や咽頭収縮筋があり、この部分で食道は緊張性収縮を繰り返しています。

 

食道異物のほとんどがこの部分に生じる理由です。摘出は食道鏡を用いて部位を確認し、鉗子(かんし)で摘除します。局所麻酔でも可能ですが更に食道の深部に刺入しているものでは全身麻酔下での操作が必要となります。