天然歯(人の歯)の代用として義歯に使用される人造の歯のことをいう。前歯の人工歯では自分の歯(天然歯)と違和感なく調和するように、形態、色調などの異なる非常に多くの種類の人工歯がつくられている。前歯用の人工歯の材質には、陶材でできたものとアクリル系の樹脂でできたものがあり、最近では表面を硬質プラスチックでつくったアクリル系の人工歯が多く使われている。奥歯の人工歯では物をかむ機能が重視され、金属、陶材、硬質プラスチック樹脂等を材料としてつくられている。現在のような人工歯がつくられる以前には、ウシの骨、ろう石、抜けた天然歯などが人工歯として使われていた。[澤田健次]

 

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について |

 

 

人工歯(じんこうし)の種類 

 

人工歯とは、う蝕(むし歯)や外傷、歯周病などにより失った天然歯の代わりに、その機能を回復するために作られた人工の歯のことで一般的に下記の3種類があります。

 

 ①ブリッジ

 

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、その2本を橋脚にして、連続した被せ物で橋をかける方法です。
 

②入れ歯(※差し歯を含む)

 

入れ歯による治療では、歯をすべてなくした場合は「総入れ歯」ですが、それ以外は「部分入れ歯」が一般的な治療方法です。

 


③インプラント

 

インプラントとは、人工の材料や部品を体に入れることの総称を指します。

歯科でのインプラントは歯を失ったあごの骨(顎骨)に体になじみやすい材料(生体材料)で作られた歯根の一部あるいは全部を埋め込み、それを土台にセラミックなどで作った人工歯を取り付けたものです。

 

 

ブリッジや入れ歯が適用できない場合はインプラントに人工歯を適用します。
インプラントは粗自分の歯と同じ程度まで機能が回復され、乳歯、永久歯に継ぐ第3の歯と言われています。「平成23年歯科疾患実態調査」(厚生労働省)によると、80歳未満の患者様では、部分入れ歯よりブリッジをつけている人が多いと報告されています