乳臼歯の役割 その2
第2の役割は、後継永久歯の保護です。
乳臼歯の根は複数で分岐した根の広がりは永久歯の大臼歯の根の広がりと比較して大きく、その大きな根の広がりの下に、各々の永久歯(後継永久歯)が成長しています。この永久歯が丈夫で立派な形に育つには、健康な環境が必要なのです。
乳歯がむし歯になったり歯根の先が病気になると、エナメル質や象牙質の形成が不完全な永久歯が生えてきます。乳歯がむし歯になっても、将来生え変わるから大丈夫、というのは間違いです。あごの骨の中では乳歯の直下で、ある時期から永久歯が出番を待っていますが、乳歯がひどいむし歯になると、永久歯にもむし歯菌が感染することがあります。きれいな歯並びのためにも永久歯へ生え替わる時期まで、乳歯がきれいに保たれていなければならないのです。
また、育ち盛りの時期にしっかり食べ物をかむことができないのも困りますね。ですから、まだ本格的な歯磨きができなくても、乳児期から少しずつケアの習慣をつけておくのは、とても大切なことなのです。そのためにも、小児科同様、かかりつけの小児歯科の先生を見つけておき、むし歯予防のための日頃の歯のお手入れや、きれいな歯並びを保つための相談にのってもらう事が大切です。