智歯(おやしらず)は、必ずしも抜歯した方が良いということはありません。上下で噛み合っていて食事をする時に役に立っているのであれば、むやみに抜歯をする必要はありません。ただ、現代の日本人の中で智歯が歯列に綺麗に並ぶ人は少なく、特に下顎の智歯は横に傾いたり中途半端に生えたりしています。

 

この場合では歯の周囲の歯肉が炎症を起こしやすく、智歯周囲炎が発症し、智歯周囲の歯槽骨も炎症を起こし溶けてきて吸収されてしまいます。同時に噛み合っていないでは、上顎の智歯は飛び出してきて、下顎の第二大臼歯や歯肉と当たってしまうことがあり顎関節にも負担がかかってしまいます。

 

このような場合では抜歯することもやむを得ません。下顎の智歯を抜歯する場合は、智歯の歯根と先端と下顎骨の中を走る神経とが近接してる場合があり、抜歯の際には神経を損傷することもあるので専門的な診察や検査を受けた上で抜歯を行うことが重要です。