打撲などによって歯がぐらついたとき(不完全脱臼)は、歯肉(しにく:歯ぐき)から出血を伴っていることが多いので、ガーゼまたはハンカチなどで押さえて止血をはかりながら、すぐ歯科を受診します。

 

歯がぐらついているときは、歯が抜けかけているか途中で折れていることも考えられます。単に歯が抜けているときは、その歯を元の位置に戻して、隣の歯を利用して固定することにより定着します(再植:さいしょく)。

 

外傷による歯の脱臼は学齢期児童の前歯に多いことから、歯を失うと咬合(こうごう:噛み合わせ)、咀嚼(そしゃく)、ならびに発音に影響しますが、心理面にも影響が出ます。このため歯を再植することにより、義歯(ぎし:入れ歯)または歯科インプラントを入れる時期を遅くすることができます。