噛ミング 30(カミングサンマル)

肥満や2型糖尿病の対策として、食事のときに一口20~30回噛む咀嚼法は有効です。咀嚼回数によらず、摂取した食品のカロリーは全て体に吸収されますが、よく噛むことで過食を抑えられる効果を期待できます。

厚労省の「歯科保健と食育の在り方に関する検討会」では、ひと口30回以上噛むことを目標に「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱しています。口の中の健康と全身の健康づくりに関連させ、「よく噛んで、おいしく味わって食べることで、生涯を通じて、食で満足感やくつろぎを得ることができる」との報告書をまとめています。

 

ご飯を主食とする日本食は、咀嚼回数を増やすのに適した食事と考えられています。ご飯を中心に、主食、副食を並べた一汁三菜が基本で、口の中でご飯とおかずがいっしょに噛む事で咀嚼回数が増加します。また、日本食では肉や油脂をあまり使わず、野菜、茸類、海藻類を多く使います。いずれも低カロリーで、食物繊維が豊富に含まれているので、噛む回数が自然に増えるわけです。

 

「咀嚼」と「低カロリー」という情報が脳に伝わると、ヒスタミン神経系の働きが活発になり、満足感を得やすくなるとも報告されています。ご飯を中心とした和食は、咀嚼の効果を高める代表的な食事です。「ひじき」や「おひたし」は咀嚼回数を増やせる食品の代表です。