歯科医院などでフッ素を直接歯に塗る方法で、年に数回塗布します。歯質の弱い生えたての歯にはとくに効果的です。フッ素塗布を始める時期は、むし歯の原因となる酸を作る力を抑えたり、一度溶け出した歯のカルシウムやリンの再石灰化を促進させます。歯の表面を酸に溶けにくい性質に変えてくれる働きもあります。一度だけの塗布ではなかなか効果がでにくいので、年に3~4回の塗布が効果的です。
塗布の必要な回数はお口の状態によって異なりますが、1年に2~4回の塗布を継続することで20~40%程度の虫歯の予防効果があるとされています。
塗布の方法は「歯面塗布法」、「トレー法」、「イオン導入法」の三つの方法があります。なお、歯科によって実施している方法が異なりますので、詳しくは治療を受けられる歯科医院に確認することをお勧めします。
画像はLION サイトより転用
生後10ヶ月から3歳まで2ヶ月毎に年6回の塗布をおこなった特別な研究では、乳歯のむし歯数が平均6.69から2.04本へと69.5%の減少、むし歯が全くない3歳児の割合が17.7%から51.5%に増加し、予想をはるかに超える大きな予防効果があったと報告されています。
この報告は、診療所にこられなかった幼児にも、全村にわたり家庭訪問までして2ヶ月に1回の塗布を徹底しておこなったもので、普通おこなわれている年2回程度の塗布では、むし歯の予防効果は20%程度、やったりやらなかったりではほとんどその効果は期待できないという現実もあります。
〇歯面塗布法
綿棒や歯ブラシにフッ化物を浸して、歯1本ずつにフッ素を塗る方法です。
短時間で終わらせることができる方法です。
〇トレー法
トレー(マウスピース)にフッ化物を入れたものを口にくわえて、上あごと下あごに分けて各3~4分間フッ素を浸透させる方法です。
〇イオン導入法
フッ化物を浸した綿や、トレー(マウスピース)にフッ化物を入れたものを口にくわえて、上あごと下あごに分けて各3~4分間、人体には感じない程度の弱い電流を流してフッ素を浸透させる方法です。
電流を通すことで、フッ素がより歯の表面により付着しやすくなります。