調査でわかった日本とスウェーデンの違い
※LION サイトより転用
発見2 70才で残っている歯の数の違い
日本では、「年をとれば歯を失うのは仕方がない」と考える人も多いのではないでしょうか。スウェーデンでも1980年代ころまでは同じでした。ところが今は違います。70才で自分の歯が何本残っているかの平均値を比較してみましょう。日本では16.5本ですが、「予防歯科」を実践してきたスウェーデンでは21本と、大きな開きがあります。親知らずを除いた成人の歯の本数は28本ですから、スウェーデンでは、ほとんどの国民が70才になっても若い時とさほど変わらない歯の本数を維持していることになります。
70才の残存歯数の違い
※Hugoson Anders,Koch Goran:Thirty year trends in the prevalence and distribution of dental caries in Swedish adults (1973-2003)., Swedish dental journal, 2008
※厚生労働省:平成17年度歯科疾患実態調査,2005(無歯顎者を除く)
スウェーデンの取り組みでは、過去に治療で歯を失った経験のある30~50代の患者さんが、3~4か月ごとに歯科医院で定期健診を受けブラッシングを続けた結果、その後30年間にさらに歯を失う人の数を約4分の1にまで減らすことに成功したのです。
しっかりと噛める歯を保ち、健康に毎日の食事をおいしく味わうためには、平均20本の歯が必要という調査結果もあります。20本の歯を残せるかどうかで、将来のQOL(生活の質)に差が出てくるのです。
「歯を失う」のは、誰にでも起こる老化現象ではありません。むし歯や歯周病が原因であり、それが悪化した結果、歯を抜くことになったり、歯が弱って抜けたりして、入れ歯が必要になるのです。「『予防歯科』によって、年をとっても歯は残せること」を、スウェーデンの取り組みとその成果が証明しています。