ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれ固く、美しい素材です。歯だけでなく、調理器具や人工関節などにも使われているくらい丈夫で安全なセラミックです。また、熱にも強く耐熱性セラミックス材料として利用されている。

 

前回ご案内しましたメタルボンドクラウンは中身は金属で、外から見える部分にのみセラミック(陶器)を貼り付けたクラウン(被せ物、差し歯)でしたが、オールジルコニアクラウンはメタルボンドの内面の金属を白色のジルコニアを使用したものです。

 

金属を一切使用しないため、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどの心配が無く、強度も強いので、奥歯やブリッジに使用することも可能です。

ジルコニアは白色ですが、ポーセレン(セラミック)のような透明感のある自然な色ではないので、着色して天然の歯に近づけることが可能です。アメリカでは、すでにこのタイプが奥歯では主流になり、日本でも需要が伸びているようです。

 

また、審美的にはオールセラミッククラウンに多少劣るもののかなり綺麗で、土台の金属(コア)の色が透けるのを防ぐ「マスキング効果」が優れているため、ケースによってはオールセラミックよりも審美的に仕上げることができます。

しかし、まだ新しい素材なので長期的な予後の報告が無い、治療費が高いなどのデメリットがあります。